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2008 年度 実績報告書

p21遺伝子のシュワン細胞における役割、及び治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18791319
研究機関大阪大学

研究代表者

冨田 興一  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90423178)

キーワードシュワン細胞 / 遊走能 / nerve predegeneration / マクロファージ
研究概要

末梢神経損傷後、中枢・末梢側断端よりシュワン細胞(以下SC)が増殖・遊走しビュングナー帯を形成、それらをガイダンスとして軸索再生することが知られているが、脱分化したSCが増殖・遊走能を獲得するにはある程度の期間が必要となる。この期間を短縮できれば神経断端間に速やかにビュングナー帯が形成され、軸索が早期かつ正確に伸長するのではないかと我々は考えている。今回SC遊走能を向上させる試みとしてnerve predegenerationに着目し、そのSC数・遊走能変化を検討した。
ラット坐骨神経を予め切断し、末梢側をワーラー変性させたpredegenerated graft(以下PG)を作成。変性期間は0〜56日とした。PGより採取したexplants assayによりSC遊走能をin vitroで評価した。さらにSC特異的蛍光蛋白発現マウスにおいて同様にPGを作成、野生型マウスへ同種移植し、ホストへのSC遊走能をin vivoで観察した。最後に抗F4/80抗体染色にて体循環よりPG神経内膜内へ侵入したマクロファージ数の変化を評価した。in vitroにおけるPG内SC遊走能は7、14日目において0日目より有意に高い値を示した後、28日目では減少し、56日目ではほぼ0となった。in vivoにおける評価では14日目にピークに達した後、28日目以降は徐々に減弱していった。0日目において殆ど見られなかった神経内膜内マクロファージ数は、7日目に劇的に増加した後、56日目には有意に減少した。PG内SCは高い遊走能を獲得することが明らかとなり、その一部は体循環より神経内膜内へ侵入するマクロファージにより制御されている可能性が考えられた。また、末梢神経損傷後再建においてnerve predegeneration及び活性化マクロファージの有用性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] MAGは過剰軸索分枝を抑制し末梢神経再生の質を向上させる2008

    • 著者名/発表者名
      冨田興一, 他
    • 雑誌名

      日本形成外科学会会誌 5

      ページ: 307-314

    • 査読あり
  • [学会発表] 神経系細胞特異的蛍光マウスを用いた損傷後末梢神経再生動態の解析2008

    • 著者名/発表者名
      冨田興一, 他
    • 学会等名
      第17回日本形成外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-10-03
  • [学会発表] Nerve predegenerationにおけるシュワン細胞遊走能の検討-侵入マクロファージとの関連2008

    • 著者名/発表者名
      冨田興一, 久保盾貴, 波多祐紀, 藤山浩, 藤原敏宏, 矢野健二, 細川亙
    • 学会等名
      第17回日本形成外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-10-02

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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