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2006 年度 実績報告書

死のメディエーター:HMGB1が臓器不全を引き起こす機序

研究課題

研究課題/領域番号 18791341
研究機関鹿児島大学

研究代表者

伊藤 隆史  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (20381171)

キーワード播種性血管内凝固症候群(DIC) / 敗血症 / 炎症 / 凝固
研究概要

【平成18年度の目的】
敗血症の致死性に深く関係している因子HMGB1の作用機序について、個体レベル、分子レベルで解明すること。その中でも特に、HMGB1が血液凝固系に及ぼす影響について解明する。
【平成18年度の研究計画】
(1-1)HMGB1が血液凝固時間に及ぼす影響を試験管内で検討する。
(1-2)HMGB1が血管内皮培養細胞および血球細胞に及ぼす影響を検討する。
(1-3)HMGB1が抗凝固経路に及ぼす影響について試験管内で検討する。
(2-1)トロンビン誘発DICモデルラットにおいて、HMGB1が生存率に及ぼす影響を検討する。
(2-2)トロンビン誘発DICモデルラットにおいて、HMGB1が血管内血栓形成に及ぼす影響を検討する。
(2-3)トロンビン誘発DICモデルラットにおいて、HMGB1が血液凝固検査所見に及ぼす影響を検討する。
【平成18年度の研究成果】
(1-1)試験管内でHMGB1を添加しても、プロトロンビン時間、トロンビン時間ともに変化しなかった。
(1-2)HMGB1は単球表面の組織因子発現量を増加させた。
(1-3)トロンビン・トロンボモジュリンがプロテインCを活性化する反応に対して、HMGB1は抑制的に働いた。
(2-1)HMGB1は単独では致死活性を示さなかったが、トロンビンによる致死閾値を低下させた。
(2-2)HMGB1単独では血管内血栓形成は全く認められなかったが、トロンビンによる血栓形成を著明に増強した。
(2-3)HMGB1単独では血液凝固検査に全く影響しなかったが、トロンビンによる凝固因子消費を増強した。
以上より、HMGB1は単独では血液凝固活性も致死活性も示さなかったが、トロンビン・トロンボモジュリン複合体によるプロテインCの活性化を抑制することによって、凝固反応を加速させ、致死的に働いていることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] High-mobility group box 1 protein promotes development of microvascular thrombosis in rats.2007

    • 著者名/発表者名
      Takashi Ito et al.
    • 雑誌名

      Journal of Thrombosis and Haemostasis 5巻・1号

      ページ: 109-116

  • [雑誌論文] HMGB1 expression by activated vascular smooth muscle cells in advanced human atherosclerosis plaques2007

    • 著者名/発表者名
      Katsumi Inoue et al.
    • 雑誌名

      Cardiovascular Pathology (In press)

  • [雑誌論文] HMGB1 High-mobility group box 12007

    • 著者名/発表者名
      伊藤 隆史, 丸山 征郎
    • 雑誌名

      分子細胞治療 6巻・1号

      ページ: 68-69

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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