本年度はパノラマX線写真からの骨梁抽出法(以前の研究で開発した方法)を用いて下顎骨骨梁の画像を線画像化し、抽出した骨梁の角度と長さを調査、全身の骨密度との関連を調査した。 手順は以下のとおりである。1、骨梁画像の抽出(数理形態学スケルトンを用いる)2、抽出した画像にラベルをつける(80以下のピクセル数のものは除去)3、スムージングし細線化する4、連続する線が交わる点を除去し、互いに交わる骨梁線を分割5、各骨梁線のピクセル数を計測。近傍の歯根の長軸線を計測で計測した歯根の長軸線に対する骨梁線の角度の計測 以上の操作を行い、歯根の長軸に対する骨梁の角度、骨梁の長さを計測し、分析した。 1歯根と同じ向きに走行する骨梁が骨密度の低下とともに減少し、歯根に対するして90度に近い角度で走行する骨梁は維持傾向があることがわかつた。今後の研究で、大量のデータを集め、これらの傾向を実証していく予定である。また、前年度に引き続き、Star Volume法、Run Length法など、骨梁の方向性、複雑性の評価をすることのできるアルゴリズムを開発中である。 また、下顎骨下縁皮質骨の構造変化を識別し、骨粗鬆症の可能性の高い患者をスクリーニングするコンピュータ支援診断システムを構築し、その性能の評価をした。感度75%前後、特異度60%前後、正診率70%前後で腰椎および大腿骨の骨密度低下者を診断することが可能であることがわかった。
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