顎顔面領域のFusion画像を作成するために必要な画像処理ソフトが必要である。このため、市販のパーソナルコンピューターで無料にFusion画像が作成できるソフト(OsiriX)を使用するため、パーソナルコンピューター(MacPro MA356J/A)を購入した。また、高解像度な液晶モニターなどの周辺機器の設置も行った。 本学に設置してあるMRIは、解像度(matrix)が256×256で撮像を行っているが、CTは512×512である。これらの画像でFusion画像を作成すると、MRIでは解像度が足りない画像となってしまう。そこで、高解像度の画像が作成可能なMRI様表面コイルをRochester大学のDr.Kwokに作成を依頼した。このコイルは、現在本学で設置している表面コイルの4倍のチャンネル数を持ち、著名なS/N比の上昇が期待される。このコイルを使用することにより、詳細な信号強度の変化を捉えることができ、拡散強調画像などの新しいシーケンスにも対応できると考えられ、新しい顎顔面領域の画像診断に非常に有用な画像が得られるであろうと考えている。今後、最適なシーケンスの決定を行う予定である。 新しいMRI撮像シーケンスである拡散強調画像を顎関節部に対して行った実験については、Parameters for diffusion weighted magnetic resonance imaging for Temporomandibular jointを論文にて発表した。また、この実験については、アジア顎顔面放射線学会(ACOMFR)でも発表を行い、参加者より本究に有益な意見や情報を得ることができた。さらにHarbard大学Dr.Hugh Curtin教授に本研究に対してのアイデアなどの研究支援を要請した。 次年度は、MRI用高性能表面コイルを用いて顎骨などの撮像を行い、CT画像やコーンビームCT画像とのFusion画像を作成し、臨床評価を行う準備を行っている。
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