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2006 年度 実績報告書

歯科用レーザーの歯内療法への応用について

研究課題

研究課題/領域番号 18791392
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

安生 智郎  東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (10396989)

キーワードレーザー / Nd : YAG / 歯内療法 / 酸化チタン / ファイバー加工 / 光分解
研究概要

近年開発されたNd : YAGレーザーは、最高出力で1パルス当たり3000mJまで出力が可能であり、さらに酸化チタン乳液をファイバー先端にスプレーして冷却することが最大の特徴である。酸化チタンは,化学繊維・紙・塗料・印刷・インキ・化粧品等に用いられており,化学的に極めて安定で,アレルギー反応を起こしにくく,生体に為害作用がないことが知られている。また、乾燥させない限り完全に硬化せず、レーザー照射野からの排出も容易である。この酸化チタン乳液を高出力のNd : YAGレーザーと併用することで、直進光を散乱光に変え、深部組織へのレーザー光の影響を抑え、象牙質だけでなくエナメル質まで光分解切削を可能としている。よって、Nd : YAGレーザー装置と酸化チタン乳液の硬組織に対する影響を検討するため、ヒト単根抜去歯を移動ステージに固定し、根管内にファイバーを根尖まで挿入して一定のスピードで引き上げながら様々なエネルギー設定でレーザー照射を行った。その後レントゲン撮影による根管形成の程度、実体顕微鏡・走査型電子顕微鏡(SEM)による形態学的観察を行った。その結果、本実験の条件下では,120 mJ30 pps 4回照射群で形態学的な変化が小さく,最も切削効率が高かった。したがって,熱エネルギーが蓄積しないよう適切な照射条件を設定することが,根管内照射を行う上で重要であることが推察された。実際の臨床において,レーザーによる根管形成は,盲目的な作業となるため,形成の程度を評価することは困難である。しかし,従来の手用ファ'イルや機械的切削器具と異なり,スメア層を形成せず,しかもdebrisを根尖方向に押し出さずに根管形成することが可能である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 酸化チタン液浴下におけるNd : YAGレーザーの根管内照射が根管壁象牙質に及ぼす影響について2007

    • 著者名/発表者名
      安生智郎, 渡辺聡, 三枝英敏, 野口英俊, 海老原新, 須田英明
    • 雑誌名

      日本レーザー歯学会誌 18巻1号(印刷中)

  • [雑誌論文] Nd : YAGレーザーの根管内照射の可能性-コア径150μmの導光ファイバーを用いた基礎的検討-2006

    • 著者名/発表者名
      海老原新, 渡辺聡, 三枝英敏, 安生智郎, 野口英俊, 須田英明
    • 雑誌名

      日本レーザー歯学会誌 17巻1号

      ページ: 9-15

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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