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2007 年度 実績報告書

歯髄炎の病態形成におけるリンパ球浸潤機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18791403
研究機関徳島大学

研究代表者

高橋 加奈子  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80403715)

キーワード歯髄炎 / 免疫応答 / ケモカイン / リンパ球浸潤 / 感染症
研究概要

平成18年度の研究成果より、歯髄炎と診断された歯髄においてCCL20や炎症性サイトカインの発現が認められ、う蝕関連細菌がマクロファージからの様々なサイトカイン産生を誘導することが明らかとなった。そこで第二段階として、う蝕関連細菌あるいは炎症性サイトカインが血管内皮細胞からのCCL20や接着分子の産生に及ぼす影響を検討することを目的とし、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)をStreptococcus mutansあるいはIL-1β、TNF-αで刺激し、RT-PCRおよびELISAを行い、遺伝子およびタンパクレベルでの解析を行った。その結果、S.mutans刺激によりHUVECにおけるCCL20の遺伝子発現の誘導およびタンパク産生の上昇が認められた。また、IL-1βあるいはTNF-α刺激によってもCCL20の発現誘導が認められた。さらに、VCAM-1の遺伝子発現において、S.mutansやIL-1βあるいはTNF-α刺激によりその誘導が認められた。次に、炎症時における歯髄細胞からのCCL20産生について検討することを目的とし、正常歯髄から分離培養した線維芽細胞を用いて炎症性サイトカイン刺激によるCCL20産生についてRT-PCRとELISAを用いて解析した。その結果、IL-1βあるいはTNF-α刺激により線維芽細胞からのCCL20およびIL-8の遺伝子発現の誘導およびタンパク産生の上昇が認められた。本研究により、CCL20はS.mutansの刺激を受けたマクロファージから産生されるとともに、そのマクロファージから産生された炎症性サイトカインを介して、歯髄線維芽細胞や血管内皮細胞からも産生されることが明らかとなり、歯髄炎の病態形成におけるCCL20の役割の重要性が示された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Histone-like DNA binding protein of Streptococcus intermedius induces the expression of pro-inflammatory cytokines in human monocytes via actiyation of ERK1/2 and JNK pathways2008

    • 著者名/発表者名
      DALI LIU, et. al.
    • 雑誌名

      Cellular Microbiology 10.1

      ページ: 262-276

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Caries-related bacteria, cytokines induce CXCL10 in dental pulp2007

    • 著者名/発表者名
      TOMOHIKO ADACHI, et. al.
    • 雑誌名

      Journal of Dental Reseach 86.12

      ページ: 1217-1222

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 細菌由来因子に対する歯髄線維芽細胞のサイトカインならびに接着分子発現2007

    • 著者名/発表者名
      向井, 佳代, 他
    • 雑誌名

      日本歯科保存学雑誌 50.5

      ページ: 553-561

    • 査読あり
  • [雑誌論文] CCL20 production is induced in human dental pulp upon stimulation by Streptococcus mutans, pro-inflammatory cytokines

    • 著者名/発表者名
      KANAKO TAKAHASHI, et. al.
    • 雑誌名

      Oral Microbiology, Immunology (In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] ヒト培養歯髄細胞における自然免疫反応の解析とカテキンによる抑制効果2008

    • 著者名/発表者名
      平尾功治
    • 学会等名
      第81回日本細菌学会総会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      20080324-25
  • [学会発表] 培養歯髄細胞におけるPatternRecognitionReceptor(PRR)を介した接着分子の発現2007

    • 著者名/発表者名
      湯本浩通
    • 学会等名
      第127回日本歯科保存学会秋季学術大会
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター
    • 年月日
      2007-11-08
  • [学会発表] カテキンは細菌やその構成分子に対する培養歯髄細胞の反応を調節する2007

    • 著者名/発表者名
      平尾功治
    • 学会等名
      第127回日本歯科保存学会秋季学術大会
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター
    • 年月日
      2007-11-08

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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