研究概要 |
本研究課題は,OSASに対する口腔内装置(OA)を用いた治療法をより効果的にかつ確実なものとするため,睡眠中の下顎運動,オトガイ舌筋・咀嚼筋筋電図等の顎口腔機能と終夜ポリグラフ(PSG)検査による睡眠・呼吸機能を検索し,顎口腔機能および睡眠・呼吸機能という2つの観点から,OAに付与すべき下顎位の指標を確立しようとするものである. H18年度は,実験用OAの製作,筋電図記録装置の設計・製作,PSG検査(正常者群・コントロール)の記録および顎運動記録装置の検討について行った.まず実験用OAについては,上下顎の歯列を覆うOA間に下顎前方移動量を自由に調節できるスクリューを組み込み,また下顎の舌側床縁を延長しオトガイ舌筋記録用電極が設置可能なものを製作した.筋電図記録については,オトガイ舌筋記録は直径2mmの銀ボール電極を自作し,咬筋・側頭筋・顎二腹筋については既製の表面電極を用いて,各筋とも双極導出した.実験用OAを用いた予備実験では,各筋とも良好な記録が可能なことを確認した.下顎位との関連については現在分析中である.また,正常者群(コントロール)のPSG検査は被験者8名にて行い(仙台睡眠呼吸センター),AI値(無呼吸指数)は0.95回/時,AHI(無呼吸低呼吸指数)は3.13回/時という結果を得た.顎運動記録については,完成までには至っていないが,睡眠中に三次元的な記録が可能なワイヤレス型の装置を設計し,製作中である. H19年度は,筋電図・下顎運動とPSG検査との同時記録また正常者群とOSAS群の比較を行っていく予定である.
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