研究概要 |
対象:上顎骨に欠損の生じた悪性腫瘍術後症例の音響分析を行い、Formant1、2、3のデータの抽出,及び音声データの構築を行った. 対象音:日本語5母音/a//i//u//e//o/ 分析方法:音響分析は解析周波数11200Hz,16pitch, pre emphasisは0.95で行った.分析窓は,HamminWindowを用いる.Formant抽出にはPitch分析を行いつつ,Pitchの変化が起きていないことを確認のうえ,LPC分析法,およびFFTを用いて抽出を行った. 研究機材:用いる音響専用分析機器(音声用サウンドボードが組み込まれたコンピュータおよび指向性マイクロフォンなど)は音声用に開発された専用(Computer Speech Lav)のものを用いた。 声道形態データ構築:手術前後に既に撮影済みのCTデータを3次元構築していった.スライス画像3次元化ソフトウェアMimics10.01(Materialise n.v.,Belguim)を用いて,声道部分の抽出をおこなった. 撮像された画像を,医療用コンピュータ画像のファイル形式であるDICOM形式に変換し,Mimicsに読み込ませたDICOMファイルには,上下間の情報が書き込まれていないため,まず,上下方向を決定していき,その後に,ファイル内の絶対値のみの撮影角度の情報であるgantry tiltの政府にて確認し,決定した. 声道の抽出をCTデータのHounsfield値をもとにおこない,CTデータ中,もっともHoundfield値の低い軟組織の部分を参考にし閾値を設定し,値がそれ以下の部分で,かつ口唇もしくは鼻孔より外部の部分を取り除いたものを声道とした.口腔内に存在する金属製補綴物により,画像が金属アーチファクトを起こしている部位については,その前後の画像より,歯牙や軟組織の位置を視覚的に推定し,抽出を行った.
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