研究概要 |
本年度は,新しい3次元プリンタ(XD700,グラフテック社)導入に先立ち,グラフテック社およびキャノンシステムソリューションズ社の担当者と仕様に関する検討と打ち合わせを行った,その結果,平成18年9月26日,本研究に最適な仕様の3次元プリンタを導入することができた. まず,現在すでにコンピュータ上で作成されている,下顎全部床義歯とその補強構造について,新しく導入された3次元プリンタを用いて,実体化することを試みた.その結果,コンピュータ上で設計したとおりの下顎全部床義歯と補強構造を3次元プリンタで製作することができた.さらに,作り出された補強構造の形態を元にして,鋳造を行い,補強構造の鋳造体を製作することができた. 現在,非接触型3次元形状入力機を用いて上顎無歯顎症例の顎堤形態を3次元計測している.得られた表面形状データをパーソナルコンピュータにて点群モデラーおよび汎用3次元CADソフトを用いて,顎堤粘膜などの設定を行いて3次元モデルを作成する.次に,有限要素解析ソフトを用いて,荷重を加えた場合に,床に生じる応力,変位を解析し,設計による影響を検討しているところである. 今後は,床の範囲が異なるモデル,人工歯の排列位置が異なるモデルなど数種類の上顎全部床義歯モデルを作成する予定である.さらに,有効な設計の義歯について,モデルを今回申請した3Dプリンタにより実体化し,できあがった模型を複製することによって義歯を製作することを試みる.
|