本年度は、第一に新しいストレッサー(複雑な認知テスト)を用いて、それに対応した脳領域の活性化のマッピングとその定量解析を行った。ストレッサーとして、認知症スクリーニング用のテスト(かなひろいテスト)を用いた。成人若齢者と高齢者のボランティアを対象にして、fMRIの測定を行っている最中に「かなひろいテスト」を実行し、世代別のストレス環境下における脳活動のデータベース化を試みた。その際、特に「かなひろいテスト」を遂行する時に活動するといわれている前頭前野領域に着目した。得られたfMRI像はSPM5プログラムソフトを駆使して脳の活性化状態をマッピングし、更に種々のコンピュータソフトウェアで定量分析を行った。これらの成果は国際学会(Society for Neuroscience、日本神経科学学会)で発表をし、現在国際誌(Brain Research)への投稿段階の状態にある。第二として、「かなひろいテスト」に対する咬合咀嚼刺激(Chewing)によるストレス緩和と集中力増加の神経機構の解明に取り組み、現在に至っている。第一段階で得た「かなひろいテスト」時による脳活動のデータベースを元に、ガムchewingしながら「かなひろいテスト」を実行した時の脳活動を測定し、ガムchewingをしない時のデータと比較解析を行っている。これらのデータは国際学会での発表、及び国際誌への投稿などを予定しており、成果を出しつつある。
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