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2008 年度 実績報告書

咀嚼機能障害時の腸管神経系における活性酸素関連機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18791458
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

高橋 聡子  神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (30301592)

キーワード歯学 / 歯科補綴学一般 / 咀嚼機能障害 / 神経生理学 / 腸管神経
研究概要

結腸や直腸などの下部消化管では, 上部消化管に比べ血管網や循環血液量が少ないことから, とくに活性酸素種による障害を受けやすいといわれている。一方, 近年咀嚼機能障害が全身に与える影響が注目されつつある。このため本研究では, 咬合高径変化によりおこる咀嚼機能障害の全身への影響と, 腸管神経系の傷害との間にどのような関連があるのか, またこれらの傷害に活性酸素種がどのように影響しているかを検討することを目的として研究をすすめた。
実験の手法としては, 腸管神経の中でもとくに中枢神経細胞に近いといわれる細胞 (AH細胞) の膜電位変化を指標として, 咀嚼機能障害が腸管神経系の振る舞いにどのような影響を与えているかを電気生理学的, 薬理学的手法を用いて以下の通り検討した。
単一神経細胞からの細胞内電位誘導法および阻害剤を用いた薬理学的手法を用い, 腸管神経細胞のカルシウム動員機構の解明を行った結果, 以下が示唆された。 (1) 腸管神経AH細胞にはカルシウムストアが存在し, リアノジン感受性力ルシウム放出チャネルが存在する。(2) 細胞膜にはカルシウム依存性力リウムチャネルが存在し, その性質は高コンダクタンスであると考えられる。 (3) ヒドロキシラジカルが静止膜電位の維持に関与している可能性がある。
以上を踏まえて, 咬合高径を高くした咀嚼機能障害モデルモルモットを用いて, その腸管神経細胞の膜電位変化を検討したところ, 活動電位のカルシウム相の変化傾向を認めた。この傾向は咀嚼機能障害が腸管障害と関連することを示すと考えられる。これらの詳細については現在も引き続き検討中であるが, この機構が明らかになれば, 咀嚼機能障害が全身に影響を及ぼすことへの傍証となりうる。このことは, 歯科のみならず医科領域においても基礎的にも臨床的にも極めて意義があるといえる。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (8件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 反応性充血を用いた血管内皮機能検査の歯科臨床応用への基礎的検討2009

    • 著者名/発表者名
      杉山秀太
    • 学会等名
      第34回日本微小循環学会総会
    • 発表場所
      港区、東京
    • 年月日
      20090220-21
  • [学会発表] プロポフォールMCT/LCTの脳内酸化ストレスに対するの抗酸化作用の評価2008

    • 著者名/発表者名
      小林杏
    • 学会等名
      第48回電子スピンサイエンス学会年会
    • 発表場所
      福岡市, 福岡
    • 年月日
      20081001-03
  • [学会発表] Non-invasive oxidative stress measurement in the craniofacial region using ESR2008

    • 著者名/発表者名
      吉田彩佳
    • 学会等名
      86th General Session and Exhibition of the IADR・32nd Annual Meeting of the CADR
    • 発表場所
      Toronto, Canada
    • 年月日
      20080702-05
  • [学会発表] 電子スピン共鳴 (ESR) 法による頭頸部皮膚領域における非侵襲的酸化ストレス評価2008

    • 著者名/発表者名
      吉田彩佳
    • 学会等名
      第8回日本抗加齢医学会総会
    • 発表場所
      千代田区, 東京
    • 年月日
      20080606-07
  • [学会発表] 反応性充血を用いた血管内皮機能検査の歯科臨床応用への基礎的検討2008

    • 著者名/発表者名
      杉山秀太
    • 学会等名
      第8回日本抗加齢医学会総会
    • 発表場所
      千代田区, 東京
    • 年月日
      20080606-07
  • [学会発表] 反応性充血を用いた血管内皮機能検査の歯科臨床応用への基礎的検討2008

    • 著者名/発表者名
      杉山秀太
    • 学会等名
      神奈川歯科大学学会第43回総会
    • 発表場所
      横須賀, 神奈川
    • 年月日
      2008-12-06
  • [学会発表] 頭頚部扁平上皮癌細胞において酸化ストレスは腫瘍抑制性ケモカインBRAK/CXCL14の発現を抑制する2008

    • 著者名/発表者名
      宮本千央
    • 学会等名
      神奈川歯科大学学会第43回総会
    • 発表場所
      横須賀, 神奈川
    • 年月日
      2008-12-06
  • [学会発表] 電子スピン共鳴 (electron spin resonance ; ESR) 法による頭頸部皮膚領域における非侵襲的酸化ストレス評価2008

    • 著者名/発表者名
      吉田彩佳
    • 学会等名
      神奈川歯科大学学会第127回例会
    • 発表場所
      横須賀, 神奈川
    • 年月日
      2008-10-09
  • [図書] 解る! 歯科薬理学2008

    • 著者名/発表者名
      高橋聡子
    • 総ページ数
      283-29
    • 出版者
      学建書院

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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