衛生的で素材の変化の少ない被験食品としてのごはんの開発 施設での米飯の提供は必ずしも可能とは言えず、研究室で炊飯したごはんを持ち歩くことは、時間の経過や保存状態により、食材のテクスチャーの変化が大きく、咀嚼回数の評価にも大きく影響し、衛生面においても問題が生ずる。そこで、(株)ポスト ごはんの里の寿司飯 冷凍 しゃり玉 を検討した。22g×25個でパックされており、衛生面での問題はない。また、1個容量は、22gでその誤差は1g程度であり、しゃり玉の偏りも少ない。咀嚼運動を検討する上で適量と認められる米飯量は7.5g〜12.5gであり、半分の11gが適量となることから、容量的にも被験食品として考えることができる。しゃり玉を湯煎にて解凍し、テクスチャーの安定性を検討したところ、炊飯器で炊いた米飯よりも固いものの安定している傾向にあり、被験食品として考えることができることが明らかにできた。しかしながら、しゃり玉酢、食塩、植物油などが入っており、嗜好性、咀嚼への影響などについては今後検討していかなければならない。それと同時に、米飯の冷凍パックの試作を試み、その物性の安定性も検討していきたい。 摂食・咀瞬・嚥下障害への対応をも見据えた検査項目の整理 施設での検査項目について、その機能を考える以前に必要な検査項目を整理した。咀嚼可能か否かを検討した上での義歯の有無、口腔内の残存歯とその状態、Vertical stopの有無がリハビリテーションの有効度に影響を当てるという観点からVertical stopの有無、そしてブラックシリコンを用いた咬合状態の把握が必要であると考える。また、歯周病が全身に及ぼす影響や誤嚥による肺炎発症の問題から歯周病の重症度また歯垢の状況なども含めた口腔内の状況を検査項目に入れるべきであると考えた。簡易に記入できるように検査用紙を検討した。
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