研究概要 |
[目的]TMJOAを有する骨の状態を特徴を見つけるために、TMJOAを自然発症するSAMP8、骨粗鬆症モデルのSAMP6とそのコントロールであるSAMR1の下顎骨および大腿骨の形態計測学的解析を行った。 [方法]2,4および6ヶ月齢のマウス54匹を用いた。各系統月齢6匹ずつの下顎骨および大腿骨の骨形態計測学的解析を行った。皮質骨は大腿骨遠位骨幹端と下顎枝部でCTIにより評価されたのに対して、海綿骨では大腿骨遠位骨幹端と歯槽骨部で骨量(B.Ar/T.Ar)、骨梁幅(Tb.Wi)、骨梁数(Tb.N)、骨梁間距離(Tb.Sp)、骨芽細胞数(N.Ob/B.Pm)および破骨細胞数(N.Oc/B.Pm)の解析により評価した。 [結果]SAMR1と比較して、SAMP8は4ヶ月齢の大腿骨を除いて両骨すべての月齢で高いCTIを示した。また、破骨細胞数は下顎骨のすべての月齢で低い値を示したが大腿骨ではなかった。SAMP6はすべての月齢の両骨で骨量、骨梁幅で低い値を示した。このことからこの系統のマウスの海綿骨の骨梁は断片化していることが分かるが骨芽細胞数においては4、6ヶ月齢の大腿骨で低い値を示したが下顎骨では示さなかった。 [考察]SAMP8とSAMP6は互いに異なった組織学的特徴を呈し、また顎骨においても大腿骨とは異なる組織学的変化をしていた。
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