1.培養口腔粘膜シートの作製-自己サイトカインPlatelet Rich Plasmaを応用 ラット口腔粘膜から採取した細胞を単離培養し、細胞を上皮細胞は酵素処理により単離、採取しI型コラーゲン膜に播種する(単層の培養粘膜上皮細胞シート)。また、この培養粘膜細胞シート上に線維芽細胞を播種し、複合培養シートを作製する。角化細胞は無血清培地を用いて培養し、線維芽細胞はDulbecco's modified Eagle's medium (DMEM)に10%の自家血清またはplatelet-rich-plasma (PRP多血小板血漿)からフィブリンを除去し、リリースされる成長因子を含んだ液性成分を添加した物を用いて培養を行い、増殖能を比較した。さらに血小板の濃度を3種類作成し、比較したところ濃度依存性に増殖能は有意に増加していた。次に作製された培養粘膜細胞シートをヌードマウス背部皮膚に作成した皮膚欠損部に移植し、そこに培養粘膜が生着するかどうかを検討し、移植後1週、4週後で評価を行ったが、培養粘膜の生着が確認できた。この実験群にさらにフィブリンによる三次元的な組織構築の効果を期待し、platelet-rich-plasma(多血小板血漿)を応用し、ヌードマウスに現在移植して評価しているところである。 2.培養骨膜シート作製法の確立 ラットの骨膜を頭蓋骨部より採取し、骨膜細胞を単離培養、シート化することを試みたが、なかなか培養条件が決まらず、移植できるだけの細胞数が獲得できなかった。現在、シート化するにあたって人工材料を使用するかどうかなどの検討を行っている。
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