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2008 年度 実績報告書

顎関節症における関節内酸化ストレスの測定と消長についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 18791527
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

河合 良明  神奈川歯科大学, 歯学部, 助教 (00333154)

キーワード顎関節症 / 滑液 / 活性酸素 / NO / hydroxylradical / SOD / X-band ESR / desferrioxamine
研究概要

顎関節症は, 顎関節内に加わる過剰圧であり, 関節周囲組織で虚血再灌流障害が活性酸素を誘発させ直接的な組織駸襲を与えると同時に炎症性メディエーターを助長し更なる炎症反応を助長することが示唆されている. 顎関節症に障害作用をもたらす活性酸素としてhydroxyl radical (HO) およびnitric oxide (NO) を顎関節症患者滑液から採取後に5, 5-dimethyl-1-pyrrolin-N-oxide (DMPO) をスピントラップ剤としたX-band ESR法およびNO電極法によりそれぞれ測定し実際の臨床症状との比較検討を行った結果, 顎関節疼痛とHO濃度は相関が認められたが, 顎関節疼痛とNO濃度は逆相関している結果となった. また顎関節健常者と比較検討した結果, 健常者より高値を示したが統計学的有意差は得られなかった. しかしながら顎関節症患者滑液中のHOとNOは逆相関の関係にあることが統計的に明らかとなった. これらの結果から顎関節症に関わる活性酸素種の分子スキームとして炎症に伴い過剰に産生されたsuperoxide anion radical (02^-) が滑液中でsuperoxide dismutase (SOD) とiron ion (Fe^<3+>) またはNOによる3者の競合反応が生じると考えられ, これらを反応速度定数で示すとO_2^-とFe^<3+>の反応速度定数は10^6M^<-1>sec^<-1>でFe^<3+>はFe^<2+>と変化しこれはFenton反応に利用される. さらにO_2^-とSODの反応速度は2.0×10^9M^<-1>sec^<-1>でH202に不均化され, その後フェントン反応によりHOが産生する. しかしながら0_2^-とNOの反応速度定数は6.7×10^9M^<-1>sec^<-1>でありO_2^-とSOD不均化反応の3倍以上でありNOはperoxinitrite (ONOO) に変化し組織障害をもたらす. また炎症の軽減にともないO2^-濃度が減少する事によりNO濃度が安定化すると考えられた. またHOの産生はO2^-由来以外に生体内に多く存在するH2O2やアラキドン酸カスケードなどから発生し炎症症状により増減をすると考えられた. また, L-band ESRによる動物実験から過剰な咬合ストレスによる虚血再灌流障害実験からのフリーラジカルの発生は抑制的結果となりフリーラジカルに対する生体防御反応が存在する可能性が強く示唆された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Reactive oxygen species (ROS) and reactive nitrogen species (RNS) in synovial fluid of Temporomandibular disease patient2008

    • 著者名/発表者名
      Kawai, Y
    • 雑誌名

      Bull Kanagawa Dent Col 36

      ページ: 93-96

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Oxidative Stress and Temporomandibular Joint Disorders2008

    • 著者名/発表者名
      Kawai, Y
    • 雑誌名

      JDSR 44

      ページ: 145-150

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Noninvasive measurement of oxidative stress in experimentally induced arthritis of the temporomandibular joint in vivo ESR system2008

    • 著者名/発表者名
      Tajima, D
    • 雑誌名

      Bull Kanagawa Dent Col 36

      ページ: 457-461

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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