研究概要 |
最近,成人においてプラーク中に占める歯周病原性菌の割合が歯周病に深く関わることが明らかとなった。しかし,小児を対象に定量PCR法を用いて歯周病原性菌の定量を行った報告は見当たらないため,歯周病に深く関わると示唆されているAa, Pg, Td, TfおよびPiに焦点を当て,歯周病との関連を明らかにするため,検討を行うこととした。 PCR法による歯周病原性菌の検出 プラークサンプルは全萌出歯から滅菌歯ブラシを用いてブラッシングすることにより採取した。現在,360名の小児からプラークサンプルを採取しており,採取したプラークはDNA抽出後,PCR増幅を行った。 各歯周病原性菌の検出率は,Aαは26名(7.2%),Pgは41名(11.4%),Tdは37名(10.3%),Tfは270名(75.0%),Piは23名(6.4%)であった。 さらに,健康歯肉群(108名),歯肉炎群(220名)および歯周炎群(32名)における検出率は,Aaは3名(2.8%),19名(8.6%)および4名(1.3%),Pgは4名(3.7%),29名(13.2%)および8名(25.0%),Tdは3名(2.8%),29名(13.2%)および5名(15.6%),Tfは78名(72.2%),170名(77.3%)および22名(68.8%),Piは2名(1.9%),16名(7.3%)および5名(15.6%)であった。 現在,PCR法により歯周病原性菌の検出された小児を対象にTaqManプローブを用いて定量PCRを行っている。
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