研究概要 |
平成18年度までに齲蝕感受性マウスであるC57BL/6マウスの雌個体に、齲蝕抵抗性マウスであるC3Hマウスの雄を交配させF1個体の雌雄を合計15体得たのち、このF1世代の雄マウスをC57BL/6マウスの雌個体に交配させN2世代の雄マウスを27体得た。この27匹の個体の尾を約1cm切断し,Qiagen社DNeasytissue Kitを使用し、マウス個体を生かした状態でDNAの抽出を行った。このDNAを鋳型としてC57BL/6およびC3Hの両系統で多型を示すマウス第2番染色体上のマイクロサテライトマーカーD2Mit1(2.2cM)、D2Mit237(27.3cM)、D2Mit90(38.3cM)、D2Mit100(50.3cM)、D2Mit107(61.2cM)、D2Mit226(80.9cM)、D2Mit200(97.3cM)を用い遺伝型のタイピングを行い,第2番染色体上で組み換え生じていないC57BL/6とC3Hのヘテロ型を示す雄個体を選別した。選別できた個体を用いてC57BL/6マウスの雌に戻し交配を行い,N3世代を複数得た。得られたN3世代に対し上記に示したマーカーを用い第2番染色体に組み換えの生じていない雄個体をさらに選別した。同様の操作を繰り返し、平成19年度中にはN13世代のスクリーニングが完了している。また第2番染色体以外の常染色体についてC57BL/6およびC3Hの両系統で多型を示すマーカーの選定も進んでおり、現在までに96のマーカーで多型が確認できている。これまでにN13世代において2番染色体がC57BL/6とC3Hヘテロ型を示す雌雄の交配により2番染色体がC3Hホモ型であり他のすべての染色体がC57BL/6ホモ型を示す雄を2匹得ている。
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