研究概要 |
これまで当教室においてマウスを利用し, 齲蝕誘発実験を試みたところ, 齲蝕に高感受性, 低感受性の系統が存在すを示した。さらに量的形質遺伝解析を行い, マウス第2番染色体に齲蝕感受性に影響する原因遺伝子があることを示した年, 19対のマウス常染色体のうち, 1対だけを異なる系統に置き換えたコンソミックマウスの作成が進んでおり, 本研究C57BL/6CrSlc(B6)系統(齲蝕高感受性マウス)由来の全染色体のうち第2番染色体をC3H/HeSIc系統(齲蝕低感受性マウ置き換えたコンソミックマウスB6-Chr. 2^<C3H>の作成を計画した。B6-Chr. 2^<C3H>の作成にあたり雑種個体を作成し,得られたの雌に戻し交配を行い, N2世代を得た。N2の第2番染色体上に約20cMの間隔に設定したマイクロサテライトマーカー(DND2Mit237, D2Mit90, D2Mit100, D2Mit226, D2Mit200)を用いて遺伝型の判定を行い,全てのマーカーにおいて86由来遺とC3H由来遺伝子がヘテロになっているN2個体を選別し,その雄個体をB6の雌に戻し交配を行いN3世代を得た。その後Nlまでこれらの操作を繰り返して第2番染色体以外の全ての染色体がほぼ100%置換したことを確認した後, N12ヘテロマ兄妹交配を行い, 第2番染色体1対だけがC3H系統由来の第2番染色体に置き換わったコンソミックマウスB6-Chr.2^<C3H>を-た。12世代において得られたヘテロマウスの兄妹交配により現在第2世代のコンソミックマウス86-Chr.2^<C3H>を得ることにしている。B6-Chr.2^<C3H>が確立されたことから, 本研究の目的であるマウス第2番染色体に存在する齲蝕発症に関わる原因子の解明が可能となった。
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