研究概要 |
罨法は日常的に用いられている看護技術であることから,罨法が心身に及ぼす影響についてエビデンスを追求することで,看護師が安全・安楽に罨法を施行できるような基礎教育の充実をはかる必要がある.本研究課題では,後頭部冷罨法が身体の自律神経活動,頭部深部温,胸部深部温,後頭部皮膚温に及ぼす影響,および「心地よい」などの主観的な気分に与える影響の解明を目的として研究を行う. 平成18年度は以下のように実験を行いデータを収集した. 対象:研究協力に同意をした健康な20歳代および50歳代の成人で,統制群5名,実験群A5名,実験群B5名とした.測定指標:1)属性,2)自律神経活動を評価する方法として,メモリー心拍計(GMS LRR-03)により心拍を測定し,R-R間隔データを用いて心拍変動の分析を行う.ほかに,呼吸数と血圧の測定を5分毎に行う,3)深部温・皮膚温の評価として,深部温モニター(TERUMO CM-210)にて頭部・胸部深部温および後頭部皮膚温を測定,4)主観的評価として,POMS短縮版(30項目)を用いて,気分の変化を時系列で経時的に測定した.実験方法:実験群には氷枕を貼用し,コントロール群は貼用しないでデータの収集を行った.実験は空調設備の整った実習室で行った.実施期間:平成19年2月〜3月.現在は実験で得られたデータを分析中である. 平成19年度は,引き続き実験データをもとに分析を行い,研究成果の一部を看護系の学会にて発表する予定である.
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