研究概要 |
茶には抗菌作用があること、またEHEC O157に茶を接触させると、接触直後より菌体表面全体に小胞が出現し、4時間後には菌体の伸長や細胞壁・細胞膜の剥離や破壊を認めることを確認した。この事実に基づき、細菌以外の細胞(RAW細胞)を用いた毒性試験、さらにカテキン類を除去した茶を用いた抗菌作用についての検討を行った。その結果、茶抽出液及び精製されたカテキンを添加した培養細胞のMTT法において、ある一定量までは細胞増殖が促進されているという結果を得た。さらに、PVPPを用いて茶抽出液からカテキンを除去して抗菌作用を確認した。PVPPにより、3.88mg/mlから0.058mg/mlにまでカテキン量を減らしたものをカテキン除去液として細菌増殖実験を行った結果,抗菌作用は認められなかった。以上より、茶は細菌の菌体を破壊することで増殖が抑制されていること、また細菌以外の細胞においてカテキンはある一定量までは増殖を促進させるが、多量の使用においては細胞の増殖を抑制する可能性が示唆された。さらに、茶抽出液の抗菌作用はカテキン影響が大きいものと考えられた。
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