今年度は以下の点について検討を行なった。 1.学生の看護技術習得状況に関する検討 はじめに、看護学生が看護技術を習得していく上で困難と感じる看護技術について卒業間近の看護系大学生の4年生のインタビュー結果から検討した。その結果、学生は患者に対して侵襲的な看護技術や失敗することで患者に何らかの被害(痛み、衣服やシーツの汚染など)を与える恐れのある項目について不安を感じていることが明らかになった。また、その一方で日常生活援助についても自信があるといえる看護技術はなく、その理由として、実際の授業と対象に合わせた看護技術が必要になる臨床とのギャップを上げるものが多かった。学生は授業で習う基本的な看護技術がそのまま患者に適応できないと考えており、そのことが学生の看護技術に対する不安につながっていることが明らかになった。 2.学生の看護技術の創意工夫を育むプログラムの検討 実際の医療の現場で体験する看護技術は限られているため、学内の演習や自己学習で様々な状況を想定した看護技術の工夫やその工夫に対する評価をセットで行なっていくことが、学生の看護技術に対する有効に自己学習につながるかどうか検討した。学生にこれらの目標に有効であると考えられる自己学習環境を提供し、基礎看護実習の前に自由に看護技術の自己学習ができるように配慮した。現在、その評価に関するデータ収集を実施中である。 3.自己学習、学習意欲に関する文献検討 本研究に活用可能な理論を検討するために、自己学習、自己調整学習、学習意欲など関連の領域の文献について検討した。
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