平成19年度は、本研究課題である「看護師の「安楽なケア」実践を促進するためのプログラムの開発と評価」を段階的に実施するため、「安楽なケア」実践を促進するためのプログラムの作成にむけての具体的取り組みを行った。プログラム作成のために、その基盤となる「看護師の実践している"安楽"なケアモデル(試案):先行研究より作成」をより確かなモデルとするため、質の高い看護ケアが行われていると評価されている医療施設において、実際に患者にケアを実践している臨床看護師を主な対象者とし、半構成的質問紙を用いたインタビューを行った。インタビューにおいては、「看護師の実践している"安楽"なケアモデル」の検証、すなわち、モデルの臨床場面への適応可能性についての確認と、特定の看護技術場面に選定に関する内容を中心に、対象者に聞き取りを行った。その結果、モデルは部分的に臨床適応可能であるということ、モデルの一般化においては、安楽なケア」における普遍的要素を明確にする必要があること、また、「清潔に関するケア場面」「体位に関するケア場面」が、安楽なケアの特定の看護技術場面として成り得ることが、示唆された。このインタビューの結果は、「Benner's Model」の5つのステージの枠を用いても分析され、各ステージに応じた'「安楽なケア」の実践'内容と、ステージが上昇するにつれて、'「安楽なケア」の実践'が発展していく様相が、より明確になった。
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