研究概要 |
1. 創造性支援ツールの評価・改良 昨年度に開発を行った, 看護実践場面における創造的な活動のひとつである, 関連図の作成を支援するツールの有効性を定性的に評価することを目的とした実験を実施した. 実験は, 看護教員3名を被験者とし, 実験条件として, 紙に関連図を描く条件(紙条件)とツールを用いて関連図を描く条件(ツール条件)を設定した. その結果, 両条件の作成プロセスおよび作成された関連図を比較することで, 本ツールの有効性を示す結果が確認された. さらに, 被験者に対して実験終了後にツールの使いやすさに関するインタビューを行い, その結果に基づいてツールの機能およびインタフェースの改良を行った. 2. 創造性支援ツールを用いた看護学演習授業の設計・実践 (1)で評価・改良した創造性支援ツールを授業に導入した. 具体的には, 以下の2科骨について創造性支援ツールを利用した授業実践をそれぞれ実施した. 科目1 : 情報処理応用 この授業では, 看護実践に必要な情報処理スキルを身につけることを学習目標としている. 科目2 : 基本援助技術III この授業では, 対象の個別性に応じて看護技術を総合的に実践する能力を身につけることを学習目標としている. これらの授業では, 学習者は創造性支援ツールを使って関連図の作成を行った. また, 作成した関連図を適宜参照しながら, 自己の看護過程を他者に説明したり, 相互に客観的な評価を行った. 授業後のアンケート結果から, 本ツールを用いることで, 関連図作成の主たる目的である項目間の関連性が理解しやすくなったという回答が得られた.
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