本研究の目的は、出産後の母子と家族を支援する継続看護プログラムの開発および実践である。 1.出産後間もない時期の母子相互作用に焦点をあてた看護介入プログラム(第1段階)の検討:平成19年度は、母親を介して夫婦/両親間の関係、両親と祖父母との関係、家族と社会の関係性に働きかける看護援助の方法について、先行研究を基に検討し、両親、上の子ども、祖父母向けの3種類のパンフレットの使用許諾を作成者より得て、プログラム教材として作成・印刷した。看護介入の評価に用いる質問紙について、母親の自己評価を測る質問項目を作成・修正した。 2.出産後から地域生活への移行期における母親の相互的・継続的看護プログラム(第2段階)の検討:平成18年度より予備的研究として試行的な育児支援活動を実践し、参加者へのアンケート調査の集計および内容分析を行い、継続的な支援のニーズについて考察した。母親達の支援ニーズは出産後からの時期によって変化し、子どもと家族の発達段階に応じた育児知識や対処方法に関する専門家による相談・助言、同じ位の月齢の子どもと接する機会やピアサポートのニーズが明らかとなり、当事者参加型の継続的な支援プログラムの内容および運営方法への示唆を得て、実践報告として論文にまとめた。また、参加者への情報提供および支援活動のためのホームページを管理している。 平成20年度は、出産後の母子を対象に本プログラムを実践し、その効果を評価する計画である。
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