今日、子どもの入院は患児本人だけでなく、きょうだいの心身の成長発達にも影響を及ぼすことが明らかにされ、支援の重要性が認識されている。しかし、入院している子どものきょうだいに対する具体的な支援には至っていない現状である。そこで本研究は、きょうだい、家族及び医療者に対して質問紙調査及び長期入院患児の家族数例に面接調査を行い、地方の小児病棟におけるきょうだい支援に関する実態を把握する。その結果をもとに、きょうだい支援に対するモデルケースを数例定めて、きょうだいが家族とのつながりが保てるよう、きょうだいや家族のニーズにあわせた支援方策を実施し、その有効性について評価することを目的とする。 本研究は3ヶ年にわたり、本年度は大学看護研究倫理委員会に提出し、承認を受けた上で、質問紙調査を行った。調査対象は、小児病棟に入院している患児以外にも子どものいる両親とその9歳以上のきょうだい、小児病棟で働いている看護師である。調査内容は、付き添いや面会状況、きょうだいの世話、きょうだいへの説明状況、きょうだいの変化や困っていること、望んでいる支援内容等である。量的なデータは十分得られていないが、乳幼児の母親は24時間付き添いをしており、父や祖父母がきょうだいの世話をしていたが、約半数は父親のみが世話をしていた。母親はきょうだいのほとんどに入院による何らかの変化を感じており、サポートを必要としていた。一方、8割以上の看護師は、入院する患児のきょうだいを意識しており、きょうだいのための時間がもてるよう配慮していたが、実際に看護援助を行ったことがあると答えた看護師は3割であった。 今後は、今年度の結果を踏まえて、面接調査ときょうだい支援の具体的支援を行っていく予定である。
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