研究概要 |
【目的】 思春期にある喘息児が医療従事者との協働において1)喘息児自身,医師や看護師の役割をどのように認識しているのか,2)協働において何が大切だと認識しているのかを明らかにすることを目的とする。 【方法】 東海地区の小児専門病院アレルギー外来および小児科クリニックに定期通院する13〜19歳の喘息児13名を対象とし,平成18年8月〜12月の期間に半構成面接を行った。 【結果・考察】 1.喘息児は医師に対して『自分にあった治療方法を見つける』,『自分にあった治療方法をアドバイスする』という役割を望んでおり,そのためには喘息児自身は『医師への報告』,『指示された治療を守る』,『生活の調整』,『立ち向かうこと』が必要であると認識しており,医療従事者との相互作用の過程において自分自身の担う役割を遂行していた。多くの喘息児は自分自身の役割を継続していくうえで,親や家族との協働が必要であると認識し,自立状況に応じた支援を求めていることが示唆された。 2.看護師には,『見守り』,『第二の支援者』,『苦痛から守る』,『言葉では表現できない役割』など,医師とは異なる役割があると認識していた。【児と医師をつなぐ(対話を助ける)】ことや【児の情報を医師に報告する】,【第三者的立場での傾聴】などのサブカテゴリーから,協働の促進者という役割を看護師が担っていることが伺えた。 3.喘息児の役割遂行には,『支援の実感』,『治したいという意思』,『治療に納得がいく』,『自立心』,『成果の実感』という要因が影響すると認識していた。 4.協働をすすめるうえで大切なことは,『信頼関係』,『責任感』,『対話』であり,これらを基盤として,喘息児自身や親,家族,医師,看護師などのメンバーがそれぞれの役割を遂行することであると捉えており,先行研究と共通した協働の概念が示された。
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