本研究は、平成17年度に実施した研究で明らかとなった、就学前の発達障害児とその家族に対する熟練保健師の支援技術の2つのプロセス、「障害告知までの保護者と子供への支援」と「子供の社会性を身につけるための支援」に対する保健師の意見を集約し、「就学前の発達障害児とその家族に対する保健師の支援システムモデル」を構築することを目的とする。 就学前の発達障害児とその家族に対して支援した経験を持つ保健師に対して、東北地方、関東地方、中部地方、近畿地方の4ヶ所で地域ごとに5〜7名の保健師でグループを構成し、フォーカスグループインタビューを実施した。調査の内容は、(1)平成17年度の調査で明らかとなった、熟練保健師が発達障害児とその家族に対して行っている支援技術の2つのプロセス「障害告知までの保護者と子供への支援」と「子供の社会性を身につけるための支援」を提示し、2つのプロセスについて意見を自由に話し合う、(2)発達障害児とその家族に対する支援の課題について自由に意見を話し合う、とした。 フォーカスグループインタビューには、東北地方5名、関東地方7名、中部地方5名、近畿地方5名、合計22名の調査協力者が得られた。調査協力者は22名全て女性であった。保健師としての経験年数は4〜36年(平均15.4±7.6年)、母子保健業務の経験年数は2〜30年(平均12.9±7.2年)であった。調査協力者の所属は、市役所11名、町役場2名、中核市2名、政令指定都市2名、政令指定都市発達相談支援センター3名、県2名であった。 現在、記録から言語的・非言語的インタビュー内容の逐語録を作成し、分析を行っている。今後はこの分析結果をもとに、「就学前の発達障害児とその家族に対する保健師の支援システムモデル」を構築する予定。
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