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2006 年度 実績報告書

創傷歯髄から単離した新規遺伝子FIP-2による歯髄炎症のコントロール法の探索

研究課題

研究課題/領域番号 18799006
研究種目

特別研究促進費

研究機関岡山大学

研究代表者

山本 直史  岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50432662)

キーワード歯髄炎症 / 炎症性サイトカイン / 遺伝子導入 / siRNA
研究概要

歯髄炎症を効率的にコントロールするためには,炎症反応に関与する因子の相互関係を調べることが重要である。本年度は,ラット創傷歯髄から単離した新規遺伝子FIP-2の発現を調節することによる炎症性サイトカイン発現への影響を調べた。
FIP-2に特異的なsiRNAを含む発現ベクターをラット腎臓細胞に遺伝子導入・選択培養し,FIP-2を発現抑制した細胞株(FIP-2KD)を確立した。FIP-2KDでのFIP-2の発現抑制を,定量RT-PCR法,ウエスタンブロット法および免疫染色法にて確認した。また,FIP-2KDでは細胞増殖能活性が約40%増加することをMTT法にて確認した。すなわち,創傷歯髄でのFIP-2の上昇は,細胞周期を調節することにより歯髄細胞の増殖を抑制する可能性がある。
Tumor necrosis factor(TNF)-αで刺激後のFIP-2-KDの培養上清をサイトカインアレイにて調べ,FZP-2の発現抑制によるサイトカインプロファイルの変化を確認した。FIP-2KDにおいてmonocyte chemoattractant protein-1(MCP-1),tissue inhibitors of matrix metalloproteinases-1(TIMP-1),そしてvascular endothelial growth factor(VEGF)の発現が顕著で,特にMCP-1量は,mockに比較して有意に減少することがELISA法にて確認できた。さらに,FIP-2KDでは,MCP-1 mRNA量が減少することが定量RT-PCR法にて明らかになった。これらの結果は,FIP-2が炎症性サイトカインの転写を促進的に調節している可能性を示唆する。
以上の結果から,歯髄炎症時のFIP-2の発現増加に伴う細胞周期制御因子の抑制および炎症制御因子の促進により,炎症反応が増悪することが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Effects on Inflammatory Signals by rFIP-2 Induced in Wounded Pulp2007

    • 著者名/発表者名
      Senoo K, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Dental Research Special issue (Abstracts of Papers)(発表予定)

  • [雑誌論文] ラット創傷歯髄から単離したFIP-2が炎症制御因子と細胞死に与える影響について2007

    • 著者名/発表者名
      妹尾京子ら
    • 雑誌名

      日本歯科保存学会誌 50(春季特別号)(発表予定)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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