研究概要 |
主に電力系統の配電融通問題などに応用がある「需要点と供給点のあるグラフの分割問題」を扱った.この問題は,需要点と供給点のあるグラフに対し,電力が供給されない需要点ができてしまうとき,供給されている需要点の需要量の合計を最大にする最大化問題である. 従来,木と呼ばれる単純なグラフに対しては,この分割問題を解く完全近似スキームが知られていた.ここで,完全近似スキームとは,任意の精度の近似解を効率よく求めることができるアルゴリズムである.本研究では,直並列グラフ,部分k-木と呼ばれる構造的グラフに対し,分割問題を解く完全近似スキームを与えた.また,一般のグラフに対しては近似スキームが存在しそうにないことを示し,分割問題の近似可能性を明らかにした.これらの結果は,国際会議ISAAC2006にて発表した. また,木に対するアルゴリズムを計算機に実装し,その性能を評価・解析した.
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