研究概要 |
消化管内ガス,食塊,消化液の混相流問題をより正確に解くため,従来,非保存形の定式化がなされていたInterpolated Differential Operator(IDO)法について,保存形の定式化を行った.打切り誤差は4次の収束性をもち,従来の非保存形IDO法と同じであるにも関わらず,完全に保存が満たされる.時間積分変数としてCell-integrated valueとPoint valueを用いるが,これらはStaggered的に配置されるため流速と圧力をCollocated格子上に定義した場合においてもカップリングが安定となり,従来の非保存形IDO法に比べ,圧縮性,非圧縮性流体解析のどちらにおいても,より高解像度の計算結果が得られることを明らかにした.また保存形の定式化となったことによりConstrained Interpolated Profile-Conservative Semi-Lagrangian(CIP-CSL)法で用いられる界面捕獲法を応用することが可能となった.また計算時間の大半を占める圧力のPoisson方程式に対し,反復計算の収束性向上のためDualコアのOpteronマシンを研究室内既存クラスターに新たに組み込み,代数的マルチグリッド法の導入を検討した.さらに基礎検証のためのデータとして,上部消化管における食塊の移動のX線画像を取得し,上部消化管において食塊流動はほぼ自由表面流れとなっていることを見出し,蠕動運動による移動境界における自由表面流れとしてモデル化を開始した.
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