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2007 年度 実績報告書

強度の異なる走運動トレーニングがラットの海馬血流動態とその調節能力に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 18800010
研究機関(財)国際科学振興財団

研究代表者

西島 壮  財団法人国際科学振興財団, 研究開発部, 専任研究員 (10431678)

キーワード運動 / 強度 / ストレス / 海馬 / 空間学習能力 / 脳血流量
研究概要

本研究では、慢性的にストレス反応が充進するか否かを基準とした走運動トレーニングモデルを作成し、その妥当性を検討した。さらにそのトレーニングモデルを用いて、運動強度の違いがラットの海馬局所血流量にどのような影響を及ぼすか検討することを目的とした。ラット(11週齢)は、非運動群(om/min)、低強度群(15m/min)、および遷動ストレスとなる高強度群(40m/min)の3群に分け、トレッドミルを用いた走運動トレーニングを、1日60分、6週間行わせた。本条件でトレーニングを行わせると、持久的能力の指標であるヒラメ筋のクエン酸合成酵素活性は選動強度依存的に増加する一方、高強度群では顕著な副腎肥大、胸腺萎縮、高コルチコステロン血症がみられた。この結果、高強度運動群は慢性的にストレス反応が充進していることが確認され、ストレス反応が生じるか否かを基準とした運動強度設定の妥当性が示された。また、海馬依存性の空間学習能力をモリス水迷路課題により評価した結果、低強度群ではプローブテストの成績が非運動群と比較し有意に向上する一方、高強度群では向上しなかった。この綿果は、低強度の運動トレーニングが空間学習能力を向上させるために有効であるが、その効果はストレスとなる高勇度運動では得られない可能性を示唆する。さらに、低強度トレッドミル走運動時(10m/min)の海馬局所血流量をレーザードップラー血流測定法により測定した結果、その増加率は、低強度群が他の2群と比較して有意に高かった。この結果は、同一強度の体性感覚刺激に対する海馬局所血流量の反応性が低強度群で向上し、その調節能力になんらかの変化が生じていることを示唆する。本研究により確立されたラットのトレーニングモデルは、今後、海馬サンプルから局所血流量の調節に関与するNO合成酵素などの分子レベル、さらに毛細血管密度などの組織レベルから検討を行うために極めて有用であり、これにより運動が海馬の血流調節能力に及ぼす効果を詳細に検討することができると期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 運動は認知症を予防するか2007

    • 著者名/発表者名
      西島 壮, 他3名
    • 雑誌名

      精神科 10

      ページ: 134-139

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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