研究概要 |
本研究の目的は,カメラが高速移動,高速回転する環境下において,画像処理により安定にカメラの位置・姿勢を推定する手法の開発である.上記の環境に対し,本研究では,予め多眼の全方位カメラで取得した全方位動画像から環境の三次元点群モデル生成し,加えてジャイロ等のセンサを併用してロバスト性を高めることが研究の目的であった.これら手法の開発にあたり,高速移動・高速回転する高解像度全方位動画像の正常取得を第1の課題として画像取得システムの構築を行った.平成19年7月に長島スパーランド・スチールドラゴン2000等の複数のアトラクションからの撮影に成功し,取得した全天球動画像は,平成19年8月25日から9月2日にかけて国立科学博物館で開催された『上野の山発旬の情報発信シリーズ第14回「バーチャル⇔リアリティ〜見て聴いてさわって冒険体験〜」』において一般公開され,加えて同施設内の全天球ディスプレイ『シアター360』で関係者のみの公開実験を行った.カメラの位置・姿勢推定では,カメラにジャイロセンサを併用することにより,画像に生じるモーションブラーの効果を予測し,モーションブラーが発生する状況においてもカメラの位置・姿勢を推定することが可能であることを確認した.また,三次元モデルの生成では,全方位カメラとGPSの併用により,都市レベルの広い範囲の環境を三次元モデル化することに成功し,16km/hで移動するカメラの画像を処理できることを確認した.
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