研究概要 |
【活動内容】本研究期間内に申請者は、(i)巨大なXMLデータ・クエリサイズに対して規模耐性が高く、(ii)応答時間に対する性能保証が容易で、(iii)従来のRDBに見られるようなチューニングやデータの正規化作業が不要となるものであり、(iv)圧縮による検索時間の短縮とディスクスペースの節約をし、(v)SIX技術の導入によりさらなる高速化を目指すことが可能なXMLDBを開発することを目的とし、研究活動を行ってきた。 本年度(平成18年度)に作成した下記研究計画のうち、実施した内容は以下め通りである。 1.キーワード照合部分の妥当性検証(済み) 2.既存手法との性能比較(済み) 3.圧縮文字列照合(済み) 4.SIX技術の導入・検証(済み) 上記実施項目は、全て計画通り完了している。平成18年度の目標であった「単一計算機環境において、世界一高速で、かつ、規模耐性の高いXMLDB」の目標は、現段階の性能評価実験でほぼ達成されたことを示している。 また研究の過程で、当該研究成果を増大させる新たな研究課題が発見された。それは、より柔軟なパスクラスを高速に処理できる方式に関するものであり、当該研究項目も実施してきた。これについては、既存の計画とともに、引き続き平成19年度に実施予定である。 【実績】本年度は、単一計算機環境における高速化・省メモリ化に焦点を当てて研究を遂行してきた。その結果、本研究の提案手法が既存のフィルタリングシステムであるXMLTK, YFilterと比較して4〜6倍高速であり、メモリ使用量は1/6程度であることが判明した。本研究成果はDEWS2007に採択され、また並行審査によってICDEの併設ワークショップであるSWOD2007にも採択された。 また、フィルタリングシステムのみならず、既存の索引型XMLDBとして国内No.1のシェアを誇っているNeocoreとの比較も行っている。当該評価実験より、すべてのケースにおいて速度面で優位という訳ではないが、質問式の内容によらず安定的で、Neocoreよりも高速であるということを実証している。
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