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2006 年度 実績報告書

車いす駆動における運動機能評価と適合支援システムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18800034
研究機関佐賀大学

研究代表者

佐々木 誠  佐賀大学, 理工学部, 助手 (80404119)

キーワード車いす / 適合 / バイオメカニクス / 運動機能 / 関節トルク / 操作性
研究概要

車いす駆動に伴う身体負荷や効率,操作性などを生体力学的に評価するため,使用者がハンドリムに加える3次元的な操作力(力とモーメント)と車輪の回転角度を同時に検出可能な駆動計測ホイールを製作した.本計測ホイールは,使用者が普段利用している車いすに直接取り付けられるよう,また,屋内外での計測実験が容易に行えるよう,システムの無線化を図ってある.実験では,第12胸髄節から第2腰髄節までの脊髄損傷者8名を対象に駆動計測を実施し,得られた駆動データと上肢の筋電位信号の結果から,上肢関節トルク,関節間力,筋張力などの実測困難な生体内力を推定した.また,等速性筋力評価装置による上肢7関節(肩関節の屈伸,内外転,内外旋,肘関節の屈伸,手関節の回内外,掌背屈,橈尺屈)の最大関節トルクの実測値から,手先力の発揮しやすい方向老発揮しにくい方向をそれぞれ算出し,ハンドリムへの力の加えやすさという新しい観点から車いす操作性を解析した.その結果,車いす使用者は,手先力の発揮しにくい上肢姿勢から駆動を開始しなければならないが,駆動期の後半では手先力の発揮しやすい方向とハンドリム接線方向とが一致し,効率良く推進力を生成できることが示された.また,旋回性や片流れ路面での走行安定性に有効なキャンパー角が,手先力の発揮しやすさという上肢運動特性の観点からも有効に機能し,生体力学的に効率の良い力の伝達をもたらすことが明らかとなった.これらの知見は,身体負荷の少ない,操作性の良い車いすを実現するために,どのような手先軌道でハンドリムを操作すべきか,あるいは,どのような強度とタイミングで駆動をアシストすべきかなど,手動車いすやパワーアシスト車いすに対する一つの設計指標として有効である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 車いす最適設計のための3次元上肢運動解析2006

    • 著者名/発表者名
      三浦 弘樹
    • 雑誌名

      バイオメカニズム学会編 バイオメカニズム18

      ページ: 89-100

  • [雑誌論文] 推進力寄与図形を用いた手動車いすのハンドリム操作力の解析2006

    • 著者名/発表者名
      佐々木 誠
    • 雑誌名

      福祉工学シンポジウム2006講演論文集

      ページ: 21-24

  • [雑誌論文] 車いすの駆動条件の違いによる上肢関節への負荷の検討2006

    • 著者名/発表者名
      渡辺 高弘
    • 雑誌名

      福祉工学シンポジウム2006講演論文集

      ページ: 25-28

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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