研究概要 |
本研究では,体を動かしながら集団で行う通常の保育活動の一部に自然な形でコンピュータを活用することを目的とし,パッシブタイプのRFIDシステムを利用した幼児用ソフトウェアの実現および試用を行う.具体的な一例として,保育の中で実際に行われている遊びのひとつである宝探しゲームを題材とする.宝探しゲームとは,1枚の紙に描かれたヒントを基に宝物の場所を推測し,それらを探し出すゲームである.宝探しゲームには,園児の推理力を養える,グループで挑戦することにより「友達のよさ」を学ぶことができる,宝物の隠し場所を工夫することにより活動的な保育を行えるなど,様々な利点がある. 本年度は,平成17年度より保育内容および保育者の意見を検討した上での試作・東京成徳短期大学附属第二幼稚園での予備評価を行ってきた宝探しゲーム支援システムの不具合の修正,予備評価の様子を撮影したビデオの分析,予備評価中の幼児の会話の分析,および,予備評価で明らかになった問題点の改善を行った.また,予備評価を行った幼稚園の保育者だけでなく,幼稚園の規模や地域性・保育者のコンピュータの習熟度等の環境が異なる複数の幼稚園の保育者との検討を数度にわたり行った.これにより園児へのヒントの与え方や,宝探しゲーム支援システムの終了後に園児の人数分印刷される達成画像を利用することで,保育者の意図に合わせた次の遊びを誘発する方法など,さまざまな意見を収集することができた.
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