研究概要 |
転倒は要介護認定となる理由の第3位と医療費,介護保険料の上で重要であると同時に高齢者のQuahty of Life(QOL)にとっても重要な問題である.動的平衡性筋力の低下もまた歩行能力や起居能力をはじめとする日常生活の基本動作能力の低下と関連し,転倒にも繋がってゆくものと考えられ対策が望まれるものの有効な手段は開発されていない.そこで本研究課題では、虚弱高齢者を対象に動的平衡性の向上を目的とした運動プログラムの実施による自立機能,身体的生活機能,実行可能性,QOL指標への効果を合わせて検討する.本研究における介入参加者に対して運動プログラムとしてバランスボードを用いた運動プログラムの指導,および自宅での実践を支援する映像情報の提供,家族からの支援を促すプログラムの提供を行う.現在,自宅での実践を支援する運動プログラムを試作し,高齢者の意見をもとに修正作業を行っている.また,家族からの支援を促す支援プログラムについて行動科学をもとに作成している.トレーニング開始に先立って、アンケート調査(ADL、転倒経験、生活習慣、運動習慣とその取り組み状況,抑うつ度,主観的幸福感,QOL指標による健康感・心理的状況,同居者・家族から判断される参加者の行動様式),形態(身長,体重,体脂肪率),体力測定(筋力(握力,膝伸展筋力,足底屈筋力,足背屈筋力),平衡性(開眼両足立ち,閉眼両足立ち,Functional Reachテスト)、柔軟性(長座体前屈))の調査・測定を実施した。今後トレーニング終了後に開始前と同様の調査・測定を行い、対照群のデータと比較し有効性について検討していく予定である。
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