研究概要 |
本年度は、MRI撮像プロトーコール、および新しい骨格筋体積の分析方法について検討した。また、研究課題の1つであった「超音波Bモード法による成人の骨格筋量推定式の子どもへの応用」について検討を行った(以下要旨)。 要旨:平均年齢14歳の健康な子ども20名(男子11名、女子9名)を対象に、MRI法による骨格筋量の実測値との比較から、超音波Bモード法による成人の骨格筋量推定式(Eur J Appl Physiol 96:24-31,2006)の子どもへの応用の可能性について検討した。その結果、MRI法で実測した全身の平均骨格筋量は男子20.0kg、女子14.5kgであった。一方、筋組織厚と身長から推定した全身骨格筋量は、男子20.8kg、女子14.0kgと比較的近似した値を示した。同様に、各部位(腕部、体幹部、大腿部、下腿部)の骨格筋量の実測値(男子1.8kg、8.4kg、7.6kg、2.2kg、女子1.2kg、6.1kg、5.5kg、1.7kg)も、推定値(男子1.8kg、9.0kg、7.8kg、2.3kg、女子1.2kg、6.0kg、5.2kg、1.6kg)との間に有意差は観察されず、両者間に強い相関関係が認められた。以上の結果から、思春期後の子どもの全身および部位別骨格筋量は多少の誤差を含むものの比較的高い精度で推定することができることが示唆された。 平成19年度は、12歳以下の子どもにも超音波法による成人の骨格筋量推定式を用いることができるかどうか検討するとともに、仮に推定精度が低下する場合は、子どもに特化した推定式を作成する方向で研究を進める。
|