研究概要 |
近年のネットワークコミュニケーションでは感情表現のためにアバタがよく利用されるが,これらのアバタの顔や表情の意味は,特に断らなくても任意の利用者間で普遍的に共有されるものという暗黙的な前提の下で使用されている.当研究ではアバタの見かけ(顔つきや表情)の文化的妥当性を実証的に検証することを目的とする.研究代表者の先行研究では,アバタの表情解釈には文化差が存在することが検証された.先行研究の結果をさらに検証するために,先行研究で使用した日本人デザイナによるアバタだけでなく,他の国のデザイナによるアバタデザインの評価を行いアバタ表情解釈の文化差の実証的検証を目的としている.平成18年度は下記を中心に研究を実施した. 1.実験環境の整備 実験の実施にあたり,実験用PC (Dell XPS710)を購入した. 2.日本人以外によるアバタデザインの発注と入手 日本人以外のデザイナによるアバタデザインとして,イギリス,アメリカ,フランスのデザイナーにアバタ表情デザインを発注し入手した. 3.実験協力先の発掘と依頼 アバタの表情解釈実験には,世界各国の研究者の協力を得て被験者を集める必要がある.擬人化キャラクタ研究に取り組むドイツとオランダの研究者を訪問し,実験への協力を依頼した。実験協力先の研究機関および研究代表者は以下のとおりである. Prof.Dr.Elisabeth Andre(アウグルブルク大学,ドイツ). Prof.Dr.Christoph Bartneck(アイントホーフェン工科大学,オランダ) 4.情報収集 HAI2006シンポジウムに参加し,擬人化キャラクタ研究に関する情報交換およびアバタ解釈の文化比較に関する貴重な意見交換を行なった.実験の実施と評価は平成19年度以降に行う予定である.
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