研究概要 |
今までに,本研究ではニューラルネットワーク(NN)の結合荷重空間を用いて生体システムの状態を推定する方法を提案してきた。2007年度では,その提案した方法を応用し,患者から取り出せる鼾音だけから,睡眠中の上気道の状態を推定できるかどうかを検討する。それが実現できれば,閉塞型無呼吸症候群のスクリーニングにとって,非常に効果的な情報検出ができると予測されるため,それを証明するための研究を行ってきた。はじめに,答えのわかっているパラメトリックシステムモデルを例題とし,そのモデルから発生した時系列信号を学習したNNの結合荷重空間に対して,独立成分分析を行い,システムの状態が独立成分として取り出せるかどうかを検討してきた。その結果により,システムモデルから生成される信号を学習したNNの結合荷重空間中に独立成分として,システムのパラメータの情報が写像されることを確認した。(国際会議ICA2007:投稿 2007/3/30)次に,鼾音に関連する信号を利用し,その信号に対して提案手法を応用して適応し,学習後のNNの結合荷重空間に対して同様に独立成分分析を言った。その結果,鼾音から睡眠状態,上軌道の状態の特徴的な性質を捉えることができ,その状態は意味のある独立成分をして取り出せることに成功した。(国際会議 EMBC2007:投稿 2007/4/16)現在,これら2つの成果をそれぞれ別の国際会議で発表するために,論文を投稿したところである。
|