研究課題
本研究の目的は、これまで研究代表者が開発してきた内視鏡用触覚センサ、および、カテーテル経路予測用シミュレーションシステムを、一つ一つ精度向上・小型化を行ないながら実用化を目指し、システムの統合および関連技術の開発による多機能化を図ることである。本年度の主な結果は以下の通りである。1. 内視鏡用触覚センサを医療用から産業用のシステムに応用した。すなわち、触覚センサに視覚情報・アクチュエータを組み合わせ、対象物の把持動作が実現できた。本触覚センサを用いる利点としては、視触覚センサを一体とすることでサイズを小さくできることが挙げられる。また、本システムにより、把持力も画像変化の大きさから算出できる。2.カテーテル挿入シミュレーションシステムにおいて、ガイドワイヤのねじり動作に影響を与えるパラメータの基礎検討を行なった。血管の屈曲を増やしても、屈曲の位置によっては、ガイドワイヤの先端の追従性がよくなった。ガイドワイヤの剛性を大きくすると、血管の追従性がよくなった。3.カテーテル挿入シミュレーションシステムにおいて、これまで得られたパラメータを用い、病変部を撮影した医用画像より作成した血管モデルを用いた計算を行なった。4.カテーテル挿入シミュレーションシステムとして、これまで脳血管内への応用を想定していたが、同様の手法を他の医療技術・組織に展開した。すなわち、肺塞栓症の予防に用いられる下大静脈フィルターや、肝臓がん等の血管塞栓術にも同じ解析手法を適用した。5.内視鏡用触覚センサについての研究結果を応用して、別の方式の触覚センサ(有機強誘電体を利用)を検討した。
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日本バイオレオロジー学会誌 22巻(印刷中)
日本機械学会論文集(C編) Vol.73,No.735
ページ: 116-123