研究概要 |
男女協同参画社会意識は,子ども期より形成されるジェンダー観と大いにかかわるものである。子どもは,家庭のみならず幼稚園においても,他の子どもや教師とさまざまな相互作用を営みながらジェンダー観を形成していく。 本研究の第一の目的は,子どものジェンダー観形成に影響を有する幼稚園教師のジェンダーにかかわる認識を明らかにし,男女共同参画社会推進に足るジェンダー観を涵養することである。第二の目的は,教師が有する男女共同参画社会推進に足るジェンダー観を「協同的な学び」を通して,意図的に子どもに伝えることである。第三の目的は,子どもに「協同的な学び」を通した男女共同参画社会意識の芽生えを定着できたかを明らかにすることである。 本年度は,上記の目的を達成するために第一,第二の目的について,以下のような研究を行った。 【第一の目的】 子どもにかかわる幼稚園教師・保護者・保育者養成校の学生を対象に,現状のジェンダー観及び男女共同参画社会についてのアンケートを実施した。アンケートをもとに幼稚園教師の有するジェンダー観の問題点を顕在化し,ジェンダーについての定義の誤解の解消に努め,恣意的運用・解釈が行われないように啓発を行う研究会を実施した。 【第二の目的】 「協同的な学び」についての幼稚園での実践例を調査・収集することにより,「協同的な学び」の概要・ねらいと内容を研究者と研究に参加する幼稚園教諭が共有することができたと考える。具体的には,幼稚園教師を対象に「協同的な学び」の研究会を実施した。
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