研究概要 |
1.2006年度前期に行ったInviting, Comforting, Complainingを対象とした、スピーチアクト・コーパスとスキットを使用した学習プロジェクト(1クラス、40名)に関して以下の事実が判明した。(1)MCQに於いて、pre-testとpost-testの平均得点の間に有意差が確認された。(2)DCTを用いたpre-testとpost-testの平均使用ストラテジー数の間に有意差が確認された。(3)5人の被験者を対象としたspokenDCTに於いては、pre-testでは同一被験者のwritten DCTでの使用語数とかなりの開きがあったが、post-testでは語数がほぼ匹敵するようになった。(有意差は認められず)(2006/08/19 Asia TEFL 2006にて発表) 2.2005年度後期と2006年度前期のリサーチに於いて、全ての対象スピーチアクトで使用ストラテジー数が増加し(Requestingのみ有意差無し:大学入学以前にもこの発話行為のストラテジーを学習する機会が多かったことが原因と見られる)、その中には指導したもの以外のものが多く含まれていた。被験者たちがこのプロジェクトを通じて、様々なストラテジーに自ら気付き使用するinductiveな学習を行ったと考えられる。(2006/09/08 JACET 2006にて発表) 3.2006年度前期の学習プロジェクトに関して、データ分析対象の被験者の数を増やし(3クラス、合計69名)、更にプロジェクト終了から3ヶ月後にdelayed post-testを行った。その結果、MCQの平均スコアについてpre-testとdelayed post-test間に3クラスとも有意差が確認され、この学習プロジェクトの永続的な効果が証明された。(2006/11/05 JALT 2006にて発表)
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