研究概要 |
1.2007年度前期の授業で、4つのスピーチアクト(Comforting,Complaining,Requesting,Suggesting)に関して指導を行った。その間スピーチアクトを見分けるreceptive skillに関して、Experimental group(初級クラスーサンプル数25、中級IIクラス(1)-サンプル数33、中級IIクラス(2)-サンプル数25、の3クラス=総計83)でpre test、post test、delayed post testの3回のテストを実施し、ANOVAによる分析でpre-post、pre-delayed post間に統計的有意差(>.05)が確認され、英語スピーチアクト・コーパスを使用した教材を用いた指導の有効性がreceptive ski11に関して確認された。一方、上記教材を用いた指導を行わなかったControl group(中級∬クラス(3)-サンプル数32)ではpre testとpost testを実施したが、T-testによる平均スコアの比較において有意差は見られなかった。 2.2007年度後期の授業で、4つのスピーチアクト(Compliment,Invite,Offer,Thank)に関して指導を行った。その間スピーチアクトを見分けるreceptive skillに関して、Experimental group(初級クラスーサンプル数25、中級IIクラス(1)-サンプル数28、中級Hクラス(2)-サンプル数27、の3クラス=総計80)でpre test、post test、delayedpost testの3回のテストを実施し、ANOVAによる分析でpre-post、pre-delayed post間に統計的有意差(>.05)が確認され、英語スピーチアクト・コーパスを使用した教材を用いた指導の有効性がreceptive skillに関して確認された。一方、上記教材を用いた指導を行わなかったControl group(中級IIクラス(3)-サンプル数32)ではpre testとpost testを実施したが、T-testによる平均スコアの比較において有意差は見られなかった。 3.英語スピーチアクトコーパス分析では、上記8項目につき、(1)単語の使用頻度、(2)文型、(3)分類別ディスコースストラテジー、(4)ディスコースストラテジーの組み合わせのパターン、の分析を行った。その結果、各スピーチアクトでアメリカ人大学生の語彙/文法/ディスコースストラテジーの傾向を発見するに至った。その一例として、requestでは"please"という言葉は日本の英語教科書で習う「命令文+pleaseという形では一度も現れず、常に疑問文や時には肯定文(もしくは名詞句)と共に使用されていた。これは"ACommunicative Grammar of English"(Leech&Svartvik,2002[1975])の分類で上記日本の英語教科書の形がrequestではなくcommandであるという記述と一致している。
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