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2006 年度 実績報告書

神経倫理学を中心とした哲学的自然主義における価値の問題の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18820041
研究機関南山大学

研究代表者

鈴木 貴之  南山大学, 人文学部, 講師 (20434607)

キーワード神経倫理学 / 自然主義 / 価値 / 規範 / 心
研究概要

本研究の目的は、現代の自然科学的世界観のもとで価値や規範はどのような位置づけを持つことになるかを考察することである。今年度の研究では、とくに、神経科学の発展がわれわれの生活実践にどのような影響をもたらすのかを考察した。
具体的には、以下の三点について研究を進めた。第一に、近年活発に論じられている神経倫理学の議論を概観し、その問題領域の全体像を明らかにした。その結果、神経倫理学には、神経科学研究の倫理的問題、神経科学の社会制度への影響、神経科学の常識的世界観への影響という三つの問題領域があり、神経倫理学にはたんなる応用倫理学の一領域にはとどまらない重要性があることが明らかになった。以上の成果は近日発表予定である。第二に、上記の第二の問題領域の事例研究として、神経科学の知見が刑罰制度にどのような影響を与えうるかを考察した。その結果、神経科学の発展によって、刑務所への収監という現在の刑罰制度は大きな変容を被る可能性があるが、このことは犯罪観の根本的な変化にもつながることを明らかにした。以上の成果は論文「神経科学と刑罰」としてまとめられた。第三に、もう一つの事例研究として、神経薬理学的な方法を用いた知的能力の増強にかんする倫理的問題を考察した。その結果、そのような増強に反対すべき本質的な理由を見出すことは、遺伝子操作による増強の場合よりも困難であるということが明らかになった。以上の成果は論文「神経薬理学的方法を用いた知的能力の増強-その倫理的諸問題-」としてまとめられた(2007年6月刊行予定)。
その他の活動としては、2007年3月に名古屋大学の伊勢田哲治助教授らを提題者として研究会を開催し、神経科学の知見が疑似科学として流通することの問題について考察した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 神経科学と刑罰2007

    • 著者名/発表者名
      鈴木貴之
    • 雑誌名

      UTCP研究論集 第8号

      ページ: 85-98

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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