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2007 年度 実績報告書

考古植物学的手法による中東レヴァント地域周辺における農耕起源の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18820056
研究機関総合地球環境学研究所

研究代表者

丹野 研一  総合地球環境学研究所, 研究部, プロジェクト上級研究員 (10419864)

キーワード考古植物 / レヴァント / 農耕起源 / 栽培化 / ムギ / 西アジア / 同定 / 生業
研究概要

西アジアのレヴァント地方は世界最古の農耕がはじまった地域と考えられている。本研究はレヴァントで農耕がはじまったとされる約1万年前およびその前後の時代の遺跡を対象とし、出土植物の同定・調査を行うことによって、農耕の起源と発展に関する知見を得るとともに、生業の具体像を描くことを最終目的としている。
レヴァント地方のデデリエ遺跡(シリア・ナトゥーフ時代)、テル・エル・ケルク遺跡(シリア・新石器時代)、セクル・アヘイマル遺跡(シリア・新石器時代)、サラット・ジャーミー・ヤヌ遺跡(トルコ・新石器時代)の発掘調査に参加し、フローテーション法(水洗選別法)によって植物遺存体を採集した。これは現在発掘されている西アジアの先史時代の植物資料としては最大規模のサンプリングといえる。
得られた植物を顕微鏡下で観察同定したところ、農耕がはじまる以前の遺跡(デデリエ)からはピスタチオ・アーモンドなどが多量に見られ、木本植物への依存がきわめて高いことが浮き彫りとなった。その他の新石器時代(すなわち農耕以後)の遺跡では、ムギ・マメなどが時代とともに増加していく傾向がある。これらの成果は学術雑誌および共著書等に発表した。また本研究ではムギの栽培化の指標となる「穂軸」という遺物にとくに注目し、「野生型」「栽培型」のこれまでにない規模での判別調査を行った。この研究の途中成果については第14回国際民族考古植:物学会(ポーランド大会)にて発表した。
西アジアの農耕起源の解明は、人類史にとって重要な研究課題のひとつである。本スタートアップ研究によりそのための研究下地が整備できたので、今後、同定作業をさらに詳細に進めて起源解明に取り組む必要がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 西アジア先史時代の植物利用-デデリエ遺跡、セクル・アル・アヘイマル遺跡、コサック・シャマリ遺跡を例に2007

    • 著者名/発表者名
      丹野 研一
    • 雑誌名

      遺丘と女神

      ページ: 64-73

  • [学会発表] Perliminary report of Pottery Neolithic macro-remains form Tell el-Kerkh,northwest Syria2007

    • 著者名/発表者名
      Akashi, C., Tanno, K.
    • 学会等名
      International Work Group for Palaeoethnobotany
    • 発表場所
      クラクフ(ポーランド)
    • 年月日
      2007-06-20
  • [学会発表] Identifying domestication from charred Triticum spikelets from early farming sites in the Near East2007

    • 著者名/発表者名
      Tanno, K., Willcox G
    • 学会等名
      International Work Group for Palaeoethnobotany
    • 発表場所
      クラクフ(ポーランド)
    • 年月日
      2007-06-18

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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