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2006 年度 実績報告書

図形・空間学習における学習者の知識体系とその活性化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18830029
研究機関愛知教育大学

研究代表者

影山 和也  愛知教育大学, 教育学部, 助手 (60432283)

キーワード図形・空間学習 / 知識の構成 / 意味づけ論 / 意味の拡張
研究概要

本研究は,算数・数学学習において「学習者は自らの経験を参照したり,知っているものになぞらえたりして図形・空間を認識する」という立場に立ち,この認識の枠組み(=学習者の主観的な知識体系)を理論的実践的に明らかにすることを目的とする。平成18年度は,近年の認知意味論の成果を踏まえ,図形・空間学習にも必然的に現れる言語的および図的表現に焦点を当てて,それらに対する意味づけと意味の拡張によって構成される学習者の知識体系について検討した。言葉および図はいずれも多かれ少なかれ比喩的性格を有しており,そのことによって文脈が変われば意味も変わること(「意味の多義性」),個人によって意味づけは変わること(「意味の多様性」)といった学習上のあいまいさを引き起こすことにもなる。しかしながら,表現そのものの意味を対象として新たな意味づけを行うこと,たとえば表現のもつ数量関係を内的関係と見なすこと等が,学習者のもっている素朴な主観的知識を数学へと高めるきっかけとなりうることを指摘した。以上の理論的検討と並行して,中学校での一連の数学科授業を観察し,教室集団でのやりとりを通して個々の生徒のもつ主観的知識が数学的知識へと高まる様子を記述した。理論的検討でも指摘したように,言葉が本来的にもつ比喩性にまつわるやりとりは授業においても頻繁に議論の対象とされ,日常経験あるいは既習の学習事項のいずれを参照するかに要因をもつ知識の不活性や断片化の一端が観察された。その後,言葉の意味内容が改めて問い直されること(これを「対象化の意味的手段」を呼んだ)によって,断片化されていた知識は1つの概念のもつ諸性質ないし意味づけの相違として統合されることになった。なお,本概要における理論的検討の一部および実践的検討については,現在のところ数編の論文として投稿中であり,年度内に研究雑誌として公刊されていない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 図形の「見え」とその理解について-「意味づけ」と意味の拡張に焦点を当てて-2006

    • 著者名/発表者名
      影山 和也
    • 雑誌名

      第39回数学教育論文発表会論文集(日本数学教育学会) 39巻

      ページ: 349-354

  • [雑誌論文] 数学的記号への意味づけについて-教科書における等号"="の扱いを中心にして-2006

    • 著者名/発表者名
      影山 和也
    • 雑誌名

      イプシロン(愛知教育大学数学教育学会誌) 48号

      ページ: 45-55

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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