研究概要 |
盲・聾・養護学校に在籍する児童生徒の障害の重度重複化が進んでいる。文部科学省が示す資料においても各種の学校に在籍する重度重複学級在籍者数は増加の一途を辿り、今後の特別支援教育において、重度重複障害児に対する教育は重要な課題として取り上げられる必要がある。 以上の現状を踏まえ、本研究の目的は、現在、重度重複障害児への発達支援として動作学習を中核に据えた方法論の適用し、その評価を行うことである。研究期間は2年間であり、本年度は初年度となる。 本年度は、(1)研究計画遂行に向けたセットアップ (2)研究協力者の確保と基礎データの収集の2点を行動目標として取り組んだ。(1)については、研究のセットアップが十分に整ったと考えている。(2)については、数名の調査協力者を得て、基礎データの収集を行った。次年度は、さらに調査協力者を募り、動作学習の評価について詳細な検討を行うこととしたい。 今年度の研究実績としては、盲・聾・養護学校に在籍する児童生徒の障害の重度・重複化の進行に対する教育の対応や動作学習の意義に関する小論(船橋,2007)と教育現場へのコンサルテーション事例(船橋,2007)の2編を報告した。また、ASAPE(アジア障害者体育・スポーツ学会)では、動作学習支援に関する報告(Funabashi,2006)を行い、インド、香港などの特殊教育の専門家と活発な議論を行った。 次年度は研究計画の最終年度となる為、データ収集と分析を中心に展開していく。また、それらの経過については、国内外の学会においで順次、発表を行っていく予定である。
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