日本における里親養育の特徴とその構造モデルの検討 I:御園生(2001)における半構造化面接を元に里親子において親子観、家族観を中心にしたインタビュー調査を里親30名、里子27名においておこなった。 II:わが国の里親養育の特徴を明らかにするため里親の持つ子育て観、親子観や過去の養育体験、夫婦関係などについて既存の尺度を用い質問紙を作成した。上記で作成した質問紙を全国で行われる各地の里親大会などで配布し134名からの回答を得た。 III:アジア里親国際会議(韓国)、IFCO大会(International Foster Care Organization)に参加し、同時にニュージーランド国内の里親支援機関を訪問することで、わが国との相違点を検討した。 里親子関係形成モデルの検討と里親養育スキルの開発 I:虐待を主訴とする子どもを委託された里親家庭に定期的に訪問し、発達レベルの調査と愛着関係形成に主眼をおいた対人関係の観察調査を行った。 II:里親子関係の縦断調査:御園生(2001)で調査を行った里親に対し、5年後の追跡調査として19名にインタビュー調査をおこなった。子どもの発達や家族の変化にともなう質的な変化の要因について継続して調査、分析を行っている。 III:里親研修の開発:関東地方B県の里親サロンにおいて、研修プログラムを作成し、里親会の協力を得て、2006年8月〜11月まで3回の里親サロンを行った。その際の参加者のニーズ調査や心理的変化ついて検討した。また同時に里親サロンに関する質問紙を作成し、関東地方のA県、B県里親会を通し108部の回答を得た。調査の結果から、効果的な里親支援に結びつく研修プログラムの開発を引き続き行う予定である。 IV:里子支援に関する研修:全国里子会主催のキャンプなどに参加し、質問紙による調査やインタビューから子どものための支援プログラムについても検討している。
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