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2006 年度 実績報告書

ダイナミックアプローチによる企業間競争の実証分析:オンライン証券業界の事例

研究課題

研究課題/領域番号 18830073
研究機関東京理科大学

研究代表者

高井 文子  東京理科大学, 経営学部, 講師 (10408693)

キーワード経営学 / 経営戦略論 / 経営組織論 / インターネット / 証券業界
研究概要

平成18年度は、第一に、「オンライン証券業界における成功要因」を定量的に検証するための作業、第二に、定量的な検証において最重要となる「仮説構築」を行うための研究作業に充てた。
第一の作業について研究代表者は、これまでにオンライン証券会社72社の各社の戦略の代理変数となるデータベースを独自に揃えてきたが、依然として全体の約2割にのぼる15社にいずれかのデータの欠損があった。こうしたデータの補填収集は、業界を退出している企業もかなりの数にのぼるため、かなりの困難をきわめたものの、ほぼ収集が完了した。平成19年度は、このデータを用いて生存時間分析を行う予定である。
これと並行して行った第二の作業では、「オンライン証券業界の企業間の差異形成」について検証するための研究を行った。具体的には、「模倣が比較的容易だと思われる業界において、なぜ企業間に差異が生じ、維持されていくのかという点」について、動的能力アプローチの議論と行為システムについての議論を踏まえた、新たな視座の構築を試みた。
この研究から明らかになったことは、黎明期の企業の戦略においては、他社の戦略とパフォーマンスが即時的に把握出来、またその戦略の有用性が明らかであってもなお、多数の企業を支配する通念が形成され、それが企業間の作用によって強められることによって、数年にもわたって成功企業の戦略が模倣されないことがありうるという事実である。近年のように、情報が豊富に得られる環境にあっても、必ずしもすぐに戦略的模倣が行われない理由とメカニズムを記述できたことは、経営戦略論の議論にとって一定の意義があると思われる。
なお、この成果は、『支配的な通念』による競争と企業間差異形成:オンライン証券業界の事例」,『日本経営学会誌』,vol.16, pp.80-94.ならびに、"Competition and the Formation of Inter-firm Differentiation Following the Dominant Perception : A Case Study of the Online Securities," Annuals of Business Administrative Science, 5, pp.19-40.にて、公表された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 『支配的な通念』による競争と企業間差異形成 : オンライン証券業界の事例2006

    • 著者名/発表者名
      高井 文子
    • 雑誌名

      日本経営学会誌 16

      ページ: 80-94

  • [雑誌論文] Competition and the Formation of Inter-firm Differentiation Following the Dominant Perception : A Case Study of the Online Securities Industry2006

    • 著者名/発表者名
      Ayako TAKAI
    • 雑誌名

      Annals of Business Administrative Science 5

      ページ: 19-40

  • [雑誌論文] Competition and the Formation of Inter-firm Differentiation Following the Dominant Perception : A Case Study of the Online Securities Industry2006

    • 著者名/発表者名
      Ayako TAKAI
    • 雑誌名

      MMRC Discussion Paper 2006-MMRC-F1 01

      ページ: 1-27

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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