研究概要 |
本研究は、平成18・19年度の2年間で高齢者虐待防止法施行後の自治体における高齢者虐待予防への取り組み、地域の高齢者虐待対応の中核機関である地域包括支援センターの取り組み、自治体と地域包括支援センターとの役割分担等の把握を目的としている。平成18年度の研究は以下の通りである。 本年度は、1,842の自治体(平成18年8月1日現在1,819市町村、特別区23区)に、高齢者虐待防止法施行後の自治体における高齢者虐待防止ネットワーク、高齢者虐待の広報・啓発活動等についての調査を実施した。さらに同意を得た自治体から、高齢者虐待防止マニュアル・リーフレット等を収集した。 本調査によって、高齢者虐待防止法施行後半年の時点の調査で、法の施行によって整備が進んだ窓口のような部分と、啓発活動や専門職への教育などのまだ遅れている部分があることが明らかになるなど、高齢者虐待防止施行後の自治体における高齢者虐待防止の現状を把握することができた。また、調査結果にっいては、希望した自治体へのデータ(メール添付ファイル)の送付、「自治体における高齢者虐待対応に関する調査(概要)」の報告書の作成などで、自治体等へのフィードバックを行った。 今後、調査結果ならびに資料の詳細な集計・分析を行い、学会および論文で発表することで自治体等への情報提供、さらに対応が遅れている高齢者虐待予防に役立てたいと思っている。 また、高齢者虐待に関する情報が最も集約されている機関として回答が最も多くあがったこと等から、今後「地域包括支援センター」が高齢者虐待問題の中心的役割を果たすと思われる。来年度の地域包括支援センターの調査でその詳細を明らかにしたい。
|